名和晃平《PixCell Shoe》2004年

名和晃平《PixCell Deer No.5》 2007年

名和は2002年から、様々な物を無数のガラスビーズ(ガラス玉)で覆う「PixCell(ピクセル)」シリーズの制作を始めた。
インターネットから取り寄せるというモチーフ。「靴」「鹿」に張り付けたガラス玉は、モチーフの表皮からプクプクと出現し続ける泡のようにも見える。そして私達は、ガラス玉の内部のモチーフを見たくなる。近づいて移動しながら見るガラス玉を通したモチーフの表皮は、視点の変化によって、単なるモチーフとしてではなく更なる映像として記憶に残る。新しい視覚体験をすることになる。
「Pixel」はデジタル画像を構成する粒のことである。名和の「PixCell」は、映像を構成する細胞(Cell)ということなのだろう。
名和は、表面を見るだけであった従来の彫刻から、見る者が中身を見ようとする彫刻を作り出した。
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