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「線」について

「線」について

「絵かきというものは、一本の線をひくことで、画面が平面でありながら、そこに立体や、深さを作ったりすることができる人のことだ」現代作家 ブライス・マーデンの言葉


ブライス・マーデン《cold mountain 6(bridge)》1991年
IMG_0010_convert_20100929211100.jpg

線だけで構成された絵画。黒い線と青い線がそれぞれ複雑に絡み合って、浅い奥行き感を生み出しています。

線には、見る者に何らかの感覚や感情を生じさせる「線力」や「線質」があります。線によって様々な絵画空間が作り出されます。

水平線→安定  垂直線→変化  斜線→奥行き
緩急、強弱、太い細い、濃い薄い、重い軽い、滑らか、優美

【輪郭線について】

輪郭線は、現実には存在しない線です。現実の物や人体が、線で囲まれているわけではありません。しかし、絵画における様々な輪郭線を見てみると、

1 形が確定したことによって意味が生じます。平面的な感じがします。
2 形に動きや量感がでます。
3 形が背景に溶け込み広さや深さと結びつきます。
4 共有する輪郭線によって、異なる空間を生じています。

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強い輪郭線 ディック・ブルーナ《ミッフィー》
図1-b_convert_20100929163940

単色の黄色の上に、強い輪郭線で描かれたミッフィー。手前に描かれた曲線で、砂山のイメージが出ています。
形が確定したことで意味合いが生じます。


強い輪郭線 ベルナール《蕎麦の刈り入れ》1888年
図1-c_convert_20100929164007

強い輪郭線で囲い込まれた農夫たちは、単純化された形に図式化され、平面的に塗りつぶされています。
燃えるような赤色と相まって、とても強い表現となっています。

ベルナール(1868~1941)ポン・タヴェン派

ゴーギャンがポン・タヴェン滞在中に、彼の教えを受け、影響を受けた画家たちの一人で、クロワゾニスム(区分主義:モチーフを輪郭線で囲み色を平塗りする)の創始者です。


途切れる輪郭線 セザンヌ《水浴の女たち》1895~1900年
図1-e_convert_20100929164123

途切れる輪郭線の重なり合いにより、まるで画面が細かな振動をしているような動きを感じさせます。又裸婦のふくよかな量感も存分に表現されています。

消されずに残る輪郭線 セザンヌ《背もたれのある静物画》
図1-d_convert_20100929164045

消されずに残るあいまいな輪郭線と、そこに置かれた色彩が、果物のふっくらとした量感を豊かに表現しています。

消されずに残る輪郭線 リチャード・セラ《特別な題名》1972年
図1-g_convert_20100929164305

表現を切り詰めて、基本形体を描いただけで作品として成り立たせようとする《ミニマルアート》の作品
消さずに残された輪郭線によって複数の空間が作り出され、四辺形に動きを感じるようになります。


重なり合う輪郭線ジャコメッティのデッサン
図1-f_convert_20100929164220

無数の線の重なりにより描き出された人物像。線は量感を生み、男性の存在感を力強いものにしている。

アルベルト・ジャコメッティ(1901~1966) スイス出身の彫刻家

《歩く男》1960年 95億円で落札された作品
図1-n_convert_20100930191157

細く長く引き伸ばされた人物像が特徴の作品を制作しました。

【色々な線】

《貧》井上有一(1916~1985)
図1-h_convert_20100929164322

かすれた線が陰線(白い線)と陽線(黒い線)を作り出し、字形に変化をつけながら、背景の白い空間と融合しています。井上有一は、筆触の造形性と文字に備わった造形性を幅広く追及し、「アートとしての書」の確立を目指しました。

良寛の書・部分
図1-i_convert_20100929164346

縦、横画が接せず、開いているのが特徴です。接筆の間が線の美しさを引き出していると思います。
細くて繊細な線ですが、筆で紙面に打ち込んだ線は美しく、形の妙を知り抜いた良寛ならではの楷書だと思います。

前田青邨《蓮台寺の松陰》 1967年
図1-j_convert_20100929164406

日本画が線の芸術であることを改めて認識させてくれる日本画家だと思います。
たゆまぬ習練の積み重ねによってのみ引くことが出来る無駄のない厳しい線。
線を生かした彩色がされていて、灯火の下、思索する松陰の瞬間が表現されています。

サイ・トゥンブリー 抽象表現主義の作家
図1-k_convert_20100930195212

幾本もの線質の異なる線が描かれています。これらの線は、何か意味あるものを表示したり、指示するといったものではありません。線を引く行為自体が、一つの表現となって立ち現れた絵画です。

李 禹煥(リー・ウーファン) 1936年~
《線より》1977年
図1-m_convert_20100929164517

トン、スーといった筆の動きの繰り返しや、連続して濃いから薄いを繰り返すシステムが表現となった絵画です。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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