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空間についてⅧ「絵画の空間-7」

「空虚」「虚」の空間


イヴ・クライン《人体測定ANT66》1960年 いわき市立美術館157×311cm
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「私は、生きた筆の助けを借りて絵を描くことを思いついたのだ。」イヴ・クライン

イヴ・クラインにとって【青】は特別な色でした。少年時代に生まれ故郷ニースで経験した海の【青】でもあります。西洋では「天上の青」として、神を象徴する色でもありました。1948年頃から始めたモノクローム絵画に、オレンジやゴールドなどと共に使われ、1957年には、【青】は最も非物質的で(深い精神性・神秘的)抽象的な色として、自ら追及して濃いウルトラマリンブルーを発明、特許も取りました。(IKB/インターナショナル・クライン・ブルー)
1958年パリで*「ル・ヴィド(空虚)」展を開催。1960年にはヌーボー・レアリスム運動に参加します。IKBによる「彫刻」「人体測定」「火の絵画」など、パフォーマンス・アートを制作しました。1962年に急逝するまで、彼のアーティストとしての生活はわずか7年程の短いものでした。

「人体測定」は、キャンヴァスの前に立たせた人体の回りに直接IKBをスプレーして、人体の痕跡を作品としました。物質(人体)を、非物質的な(精神性の強い)色の青で非物質化(空虚)した作品です。


*「ル・ヴィド(空虚)」展‥パリのイリス・クレール画廊で開かれました。クライン・ブルーで印刷された招待状を手に、クライン・ブルーで塗られた物を手がかりに、あるいは確認しながら会場に入った観客は、何も無い真っ白な空間に驚かされます。会場に来るまでに観客の心の内部に取り込まれた、目で見ることのできる物質としての【青】と、会場内の非物質化された(精神性の強い象徴的な)【青】の空間とを、観客が重ね合わせることをねらいとしました。

制作中のイヴ・クライン
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伊万里焼(吹き墨技法 江戸期)
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視覚的な造形として同様の作品が、すでに日本の江戸期に存在していました。



高松次郎《影(母子)》1964年 滋賀県立近代美術館 114.0×92cm
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高松次郎(1936~1998)東京生まれ

「点」「紐」「影」「遠近法」「波」「弛み」「単体」「複合体」「平面上の空間」「形」
シリーズで、思考性に富んだ観念的な作品を次々と発表し、1960年代のコンセプチャル・アートの作家たちに大きな影響を与えました。

子供を抱いた母親の影を描いた作品です。影の持ち主である母子は描かれていません。私達は影を見ると、何の影か、誰の影か、その実体を確認したくなります。立体に光があたって初めて平面に影ができる、物があるから影が出来るのです。影だけが描かれた絵画、母子の表情も詳細も分からず何も訴えるものが無い空虚な空間です。影そのものより、そこに物が存在しない空虚さを表現している作品です。

高松次郎《点 №1》1961年 針金・ラッカー・金属板 17×13×1O
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高松次郎《遠近法の椅子とテーブル》1966-67年
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高松次郎《木の単体》1971年
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高松次郎《飛翔》(形シリーズ)1992年 油彩 162×130cm
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ルネ・マグリット《人間の条件》1933年
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一見すると窓から見た外のありふれた風景。しかし、イーゼルの三脚・キャンヴァスを張るいくつかの鋲・キャンヴァスの留め具を確認して、これは絵画の中の絵画と分かります。そして、左のカーテンとのわずかな重なりで、窓の内側と外側という感覚がクリアになります。ここに描かれた奥行きは、絵によって隠された風景の奥行きではなく、絵画の中の絵画の奥行きということになります。二つの異なる空間が、同時に存在する不思議な作品です。

マグリット《白紙委任状》1965年
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「虚」の中の実、「実」の中の虚が同居する世界を描いています。


ルネ・マグリット(1898~1967)ベルギー生まれ
ダリと共にシュルレアリスムを代表するベルギーの画家。「イメージの魔術師」と呼ばれています。日常的なありふれたイメージを自由に組み合わせ、実際にはありえないような場面を作り出すことによって、謎めいた、超現実的な世界を創造しました。シュルレアリスムの常套的な方法であるデペイズマン技法によって、驚きのある不可思議な「虚」の世界が描き出されています。

私達が現在、テレビ・雑誌等の広告媒体で目にするCMやデザインは、マグリッド的な空間を流用しています。

「言葉では語りきれない不思議なイメージ、すべての前に驚きがあり、すべては絵が語る。」
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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