ダリと共にシュルレアリスムを代表するベルギーの画家。「イメージの魔術師」と呼ばれています。日常的なありふれたイメージを自由に組み合わせ、実際にはありえないような場面を作り出すことによって、謎めいた、超現実的な世界を創造しました。シュルレアリスムの常套的な方法であるデペイズマン技法によって、驚きのある不可思議な世界が描き出されています。
分かりやすく言いますと、「ナニコレ珍百景」的な世界です。
「エッナニコレ?」「ナンデコンナトコロニアルノ?」「チョットドコカヘンダヨネ」


《ゴルコンダ》1959年
配列よく空に浮かぶマグリット自身。ありえない光景が広がる

《白紙委任状》1965年
「虚」の中の実、「実」の中の虚が同居する世界

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《人間の条件》1934年
キャンパスに描かれた絵と外の風景がつながっている。現実とは何か?


《光の帝国》1954年
明るい昼間と、暗い夜が同居する不思議な世界

(大きさの関係や位置を入れ換える)

《リスニング・ルーム》1952年
大きさの不均衡にただ驚くばかり!

《弁証法讃》1936年
窓は内側に開き、室内には家の全体像が見える不思議さ


《黒魔術》1935年
皮膚が青空に同化していく裸婦


《イメージの裏切り》1929年
画面中央にパイプが描かれ、その下にフランス語で「これはパイプではない」と書き込まれています。この言葉は、これはパイプの絵であって、本当のパイプではないことを意味しています。パイプが描かれているのになぜパイプではないのか戸惑いますね。確かに描かれたパイプでは煙草は吸えないのだからこれはパイプではありません。鑑賞者はパイプの絵を見ると、実物のパイプのイメージを重ね合わせてそこにパイプがあるのだと思ってしまいます。それが言葉によって打ち消され(裏切られ)、パイプではなく「絵」であることに気付かされます。実物のパイプ、パイプのイメージと言葉との関係について考えさせられる作品です。
言葉では語りきれない不思議なイメージ、すべての前に驚きがあり、すべては絵が語る。
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