デペイズマンとは
まったく関係のない物同士を共存させて「驚き」を生み出すことによって、鑑賞者のそれまでの固定観念を白紙にさせ、新しい美やイメージや思考回路を呼び起こさせようとする手法
サンディ・スコグランド《金魚の復讐》1981年 写真

アメリカの女性写真家
何カ月も費やして、部屋などの緻密なセットを準備し撮影するという独特のスタイルの写真家。青い部屋に浮かんだり置かれた無数の赤い金魚の群れ。鑑賞者に新しいイメージを持たせるデペイズマン手法の写真。
ダミアン・ハースト《神の愛のために For The Love Of God》2007年

イギリスを代表する現代美術作家
18世紀の頭骸骨をかたどったプラチナに、8,601個のダイヤを敷き詰めた、120億円のどくろアート。
「アートが何なのかを気に掛けるのはやめた。ギャラリーの壁や床に展示してあれば、それが多分アートなんだろう」(ハーストの言葉)
ロン・ミュエク《ボーイ》1999年

ファイバーグラス、樹脂、シリコンでできた高さ5mのかがんだ少年の立体作品。
ナニコレ、ナンデ、こんな巨大な少年が美術館にあるのか‥空間のデペイズマン
ルネ・マグリットの《リスニング・ルーム》と同じデペイズマンです。
ルネ・マグリット《リスニング・ルーム》

ミケランジェロ・ピストレット《ぼろぎれのヴィーナス》1967年

第2次世界大戦後のイタリアの新しい美術の流れ、「アルテ・ポーヴェラ」(貧しい・簡素な芸術という意味)というグループで活動した作家。日常を象徴する衣類の山と、世界の美の象徴であるヴィーナス(しかも後ろ向き)という全く関係のないものを組み合わせて、新たな感覚を呼び起こそうとしている。
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