《金魚》1912年 146×97cm プーシキン美術館(モスクワ)

屈折して水面に映る金魚と、上下に重なる水中の金魚によって水槽の立体感が強められ、作品全体が平面的になりすぎないように描かれています。形の大小にとらわれない面白い画面構成になっています。
《モロッコのカフェ》1912~13年 176×210cm エルミタージュ美術館

説明的なものは何も描かれていない。ただ一日中金魚を愛でるモロッコ人が描かれているだけ。淡い色調、平面的な画面の中で、金魚と傍らの花の赤が印象的です。形態の単純化も推し進められています。
《金魚とパレット》1915~16年 ニューヨーク近代美術館

黒が特に美しい作品。マティスは、黒色を色として効果的に使いました。画面を区切る線が空間を転位させ、いくつもの空間を作り出しています。
マティスは確認されているだけでも、11点の金魚をモティーフにした作品を描いています。
次回はマティスの新しい表現(抽象)について紹介します。
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