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アート/ART 

ART PROGRAM K・T 

ネオ・ダダ「ロバート・ラウシェンバーグ」

ロバート・ラウシェンバーグ(1925~2008)

「絵画は、芸術と生活の両方に関係している。そのどちらも作り出せない。
      その両方の間にあるギャップ(空隙)で仕事をしなくてはならない」  ロバート・ラウシェンバーグ

ジャスパー・ジョーンズと共にネオ・ダダを代表するアーティスト。1947年から約1年程カンザスシティーで美術を学ぶ。その後パリで学んだ後ニューヨークに移り住み、1951年初の個展を開きました。55年ジャスパー・ジョーンズと同じ建物にアトリエを構え親密な交流をもちました。55年から既製品・日用品・廃物などの身近な三次元の事物を寄せ集め(アサンブラージュ)、抽象表現主義に通じる激しい筆致と画面上で合体したコンバイン・ペインティングを制作し始めました。60年代になると、物を作品に取り込んだそれまでの表現から、多様なイメージを示す写真画像をシルクスクリーン(孔版印刷)でキャンバスに転写した作品を制作するようになりました。以後、ラウシェンバーグはこのシルクスクリーンを用いた表現を様々な形で展開し、実験的で刺激的な作品を終世作り続けました。

【コンバイン・ペインティング】とは

コンバイン(combine)は、「結合する、組み合わせる」ことを意味します。寄せ集められた雑多な日常の物体と、大振りの激しい筆致による描法が結びついた作品。彫刻でもない絵画でもない作品を、ラウシェンバーグ自らコンバイン・ペインティングと呼びました。

【アサンブラージュ】とは

集合、寄せ集めの意味。日常の身近な非芸術的な物体(既製品・日用品・廃物)を寄せ集めて作品を構成すること。平面的なものを寄せ集めて作品として構成することがコラージュで、立体物を寄せ集めて構成したものをアサンブラージュと言う。


《モノグラム》1959年
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《モノグラム》は山羊の剥製と古タイヤが、油絵の具で描かれた水平のパネルの上に置かれ、事物と絵画が結合した作品です。

【ダダイスムの芸術家、クルト・シュヴィッタース(ドイツ)の「メルツ絵画」】

ラウシェンバーグが影響をうけた画家

「シュヴィッタースは、僕のために全部作ってくれた気がする」(ラウシェンバーグ)

ダダイストのシュヴィッタースは、第一次世界大戦末から自分の身の回りで見つけた紙切れ、印刷物、ラベル、切符、針金、布切れなど日常生活の様々な廃品をコラージュした「メルツ絵画」を制作し始めました。上記の言葉は、ラウシェンバーグが、1959年ニューヨークのシドニー・ジャニス・ギャラリーで開かれたシュヴィッタースの回顧展を
訪れた後に述べた言葉です。シュヴィッタースから直接大きな影響を受けたと見られるラウシェンバーグの素直な感想です。

シュヴィッタース《高貴な婦人のための構成》1919年
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ラウシェンバーグのコンバイン・ペインティング    「抽象の芸術空間と現実の事物の結合」

絵の具をぶちまけたような塗り方(アクションペインティング)+ 既製品・日用品・廃物の寄せ集め

鳥の剥製、シーツ、古タイヤ、板、ボロ切れ、自動車のナンバープレート、ブリキ缶などが貼り合わされ、そこに絵の具が荒い筆致でぶちまけれたように塗られています。従来からの“美しさ、きれいさ”は無く、意外性に富み、言葉では合理的に説明できぬ不思議な造形空間が作り出されています。

《コレクション》1953~1954年
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《ベッド》1955年
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《ピルグリム》1958年
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《インタヴュ―》1955年
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様々なイメージの写真画像を組み合わせ、シルクスクリーンでキャンバスにプリント

多種多様なイメージの組み合わせです。それぞれ意味も繋がりもない写真画像が寄せ集められ、画面上で造形的に構成されています。偶然の出会い、脈絡の無いイメージの組み合わせから新しいイメージが生み出され、“おいしい画面”となってその時代の「新しい美」を作り出します。

《skyway》1964年
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《ドリーム・サイクル》
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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