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ピカソⅡ「青の時代」

青の時代 1901年~1904年   「悲しみと苦悩の色彩」

親友カサジェマスの自殺を契機に、ピカソは青色を基調とした暗い画面で悲哀に満ちた作品を描きだす。
青色の冷たく暗い色調で、「死」「苦悩」「絶望」「貧困」「悲惨さ」「社会から見捨てられた人々」などをメランコリックに表現しました。

《死せるカサジェマス》1901年
死せるカサジェマス1901年_convert_20100412092739

友人の死はピカソに大きなショックを与えました。死の床につく、青ざめたカサジェマスの顔の輪郭をローソクの光りが金色に映し出しています。額を打ち抜いた弾の痕を描く、ピカソの心底の悲しみはどんなに深いものであったでしょう。


カサジェマスの埋葬・招魂1901年_convert_20100412092853

青の時代の幕開けを告げる作品。構図はエル・グレコの作品にならい、地上における死と昇天の上下の二層的表現になっています。

エル・グレコ《聖マウリテレスの殉教》1580~82年
聖マウリテレスの殉教1580~82年_convert_20100412094546


《浴槽(青い部屋)》1901年
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青の時代の始まりに位置する重要な作品。当時、住んでいたアトリエの様子が窺えます。壁にロートレックのポスターが貼ってあるのが、彼からの影響の大きさを物語っています。

ロートレック《メイ・ミルトン》
マイ・ミリオン

《自画像》1901年
自画像1901年_convert_20100413114645

「青の時代」を代表する作品。20歳の若者らしさは無く、どこか年老いた感じがします。早くして味わった人生の厳
しさ、深い悲しみや苦悩を抱えたピカソの心理が、静かな目線となって表れています。姿は、量感と輪郭線の単純化によって強く表現され、暗いものを包み込むかのように大きく描かれています。繊細に茶色で描かれた髭が、青い画面の中でアクセントとなって美しい。

《うずくまる女性と子供》1901年
うずくまる女性と子供1901年_convert_20100412093630

梅毒に罹った売春婦たちが多く収容されていたサン・ラザール収容所を、ピカソは特別の関心を持ってよく訪れました。包み込むように子供を抱きかかえ、目を閉じて子供に寄り添う母親と、目を伏せてじっと下方を見つめる子供。その姿に悲しみや絶望感が伝わってきます。不安な母親の気持ちを表すかのように、衣服や背景が青くうねるように表現されています。

《ラ・ヴィ 人生》1903年
ラ・ヴィ人生1903年_convert_20100412093907

青の時代の代表作。それまでの様々なテーマが要約されています。作品解釈が難しく、ピカソが何を語ろうとしたのか、内容は謎めいています。左側にはカザジェマスと愛人、右側に子供を抱く痩せた母親を描き、間に失意と絶望を感じさせる二枚の絵が挟み込まれています。カザジュマスの指先が、二人の明るくはない将来を暗示するかのような母子像に向けられています。

《貧しき食事》版画 1904年
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盲人と女性の寂しそうな食事風景。不自然に曲げられた手首に痩せた腕、絡まるような細い指先が、穏やかでない二人の心の内を表しているようです。満たされぬ人生への思いを、空の皿やパンとブドウ酒だけの食事として表しています。2004年、1億2千万円で落札されました。


《盲人の食事》1903年
盲人の食事1903年_convert_20100412093111

青い色調の変化が美しい作品でです。右手より左手に光をあて、顔の明るさとバランスをとっています。それと同時に、盲人にとっての手の重要さを浮かび上がらせています。両腕が作る直角と、机が作る角度の対比が、画面を造形的に面白くしています。

《ラ・セレスティーナ》1904年
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売春宿の女主人の肖像画。残酷そうな表情の女性を描いたこの作品は、若きピカソと現実の厳しさとの出会いを象徴しているともいわれています。隻眼ではあるが、物事を見透かすような鋭い眼光で描かれています。一度見たら忘れられないインパクトのある作品と言えます。青い色調から浮かび上がる顔の色がとりわけ美しく、作品全体の青色と見事に調和しています。また、コートの深い青色が、三角形の構図とともに女性の存在感をさらに高めています。

《シュミーズ姿の少女》1905年
シュミューズ姿の少女1905年_convert_20100412093704

青の時代からバラ色の時代へ移行していく時の作品。首から顔にかけては美しく立体的に描かれ、それ以外は軽くスケッチ風に描かれています。その強弱さが表現の深さと結びつく作品です。

【なぜ青色を使ったのか?】

何故、青を使ったのかという問いに対しては、エル・グレコの影響、青色の絵の具が安かったから、故郷マラガの空や海の色が心に残っていたからとか様々な憶測がなされています。友人の死を境に青色で描くようになったのですが、いずれにしても、ピカソはその「青」によって、悲哀、苦悩、不安、絶望、貧困、社会から見放されて最底辺で生きる人々など、人生の悲劇的で憂鬱な側面を描きだしました。それには、これから絵を売って生きていくピカソの、作品購入者の心理や時代状況を読んだ、ある“ねらい”があったのではないでしょうか。それが、ピカソを若くして成功させた要因になっていると思われます。

【憂鬱(メランコリック)な主題を「青」で描いたピカソのねらい】


青は本来、西洋では「神の色」であり「高貴な色」として使われてきました。後に抽象絵画を創始したカンディンスキーは、「天上の色」とまで表現しています。西洋絵画の伝統において、青が憂鬱さや貧しさなど負のイメージと結びついて表現されたことはありませんでした。このように、当時の人々が持つ青のイメージは、「遥かなる憧れの色」であり「希望」の色でもあったのです。ピカソは、そのような人々が抱く青のイメージを作品に織り込んで、悲哀に満ちた作品を描きました。

ピカソの戦略的なカラーワーク「神の色」で絶望や悲しみ、打ちひしがれた人々表現することによって、憂鬱で悲しみに満ちた画面の中に、気品や深い精神性を感じさせる。



《座る裸婦》1905年
座る裸婦1905年_convert_20100412094318

青以外の色彩による表現が始められました。省略と強調部分が巧みに配され、ピカソの美が創り出されています。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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